競艇整備士のなり方や年収・1日の流れについてもご紹介します！

2023年7月、競艇史上初の女性1級整備士が誕生して一躍話題となりました。

競艇は、ボートレーサーにスポットライトが当たるのが常ですが、レースの公平性と安全性を担保するためには整備士の存在が欠かせません。

モーター整備に関して選手の相談に乗ったり、非開催中の調整をしたりと非常に重要なポジションです。

競艇選手の豪快な走りの裏には、繊細な技術や整備の膨大な知識を持つ整備士のサポートがあると言っても過言ではないでしょう。

そんな競艇整備士について、今回は徹底的にご紹介します。

整備士の仕事について知ると、競艇の知識が深まるだけでなく、より競艇を楽しむことができることは間違いなしです。

「競艇整備士になるにはどうしたらいいの？」という人に向けてなり方だけでなく、仕事内容や年収もまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。

競艇整備士になるには？

まずは、競艇の整備士になる方法についてご紹介します。

競艇の整備士になる方法は以下の2つ。

• 日本ボートレース競走会に採用される
• ボートレース関連の求人に応募する

1つ目は、日本ボートレース競走会に採用されるという方法です。

これは、4年制大学の卒業もしくは卒業見込みの人が対象になるので、まずは大学を卒業するのが最低条件となってきます。

通常は、筆記試験や面接、身体検査など1次〜4次の試験をクリアして日本ボートレース競走会への採用が決定。

採用後は、整備員課程を修了して競艇整備士となります。

2つ目は、ボートレース関連の求人から応募するという方法です。

日本ボートレース競走会以外にも、整備士として働ける会社は存在します。

それらを、就職や転職サイトで探して求人募集があれば、応募するという流れ。

どちらでも実務においては資格の取得が必須になるので、ここからは競艇整備士の資格についてご紹介します。

競艇整備士の資格は1級と2級

競艇整備士の資格は1級と2級の2つ。

モーターボート整備士規程によると、2級は基本的な知識及び技量を有する整備士で、1級は高度の知識及び技量を有する整備士と定義されています。

2級の受験資格は、以下の3点。

• 競走の用に供するモーターボート整備に関する補助的作業に1年以上の実務経験
• 満18才以上
• 有効な1級又は2級小型船舶操縦士(湖川小出力限定を除く。)免許証を有している

一方、1級の受験資格は、以下の3点。

• 2級整備士の資格を付与された日から3年以上の実務経験
• 満21才以上
• 有効な1級又は2級小型船舶操縦士(湖川小出力限定を除く。)免許証を有している

競艇は危険の伴う競技で、モーターのネジ1つの締め忘れが、競艇選手の怪我や最悪、死亡につながることもあります。

そういったことを踏まえて実務経験が受験資格に含まれているということでしょう。

資格はなくてもなれる

競艇整備士の実務には、資格が必須です。

そのため、実際にモーターの整備をしたいという人は資格を取得する他ありません。

ただ、補助的な作業は無資格でも可能です。

ボートやモーターの運搬や簡単な点検などに携わることはできます。

そういった補助的な作業を積み上げて、資格を取得し、競艇整備士として整備の実務に携わっていくという流れです。

ボートレースの整備士ってどんな仕事？

ここまでで、競艇の整備士になる方法がおわかりいただけたかと思います。

では、ここからは整備士の具体的な仕事内容について見ていきましょう。

競艇整備士の仕事は、レースの開催中と非開催で異なるので、分けてご紹介します。

レース開催中の仕事

レース開催中で最も重要な仕事は、選手のサポート。

各競艇場に所属する整備士はルール上、レース期間中にモーターを直接整備することはできません。

選手自ら行う自主整備のみ認められているためです。

したがって、選手がモーターを整備する際の相談に乗ったりアドバイスをしたりするのがメインの仕事。

過去のデータを元にどういう調整をするか、部品交換をするかなどの相談に乗ります。

部品交換について、最終的に交換するかどうかの決定権を持っているのも整備士。

これは、交換によってレースの公平性が崩れないようにするために権限が与えられています。

また、ボートの整備や修理を担うのも整備士の仕事。

競艇は水上の格闘技とも呼ばれる激しい競技なので、最大で7日間のレース中には、ボートが損傷することもあります。

そういったボートを次の日には問題なく使えるようにする役割も担うというわけです。

整備だけをしているのではなく、選手の相談に乗ったり、アドバイスをしたりもするので、コミュニケーションの能力も求められるでしょう。

レース非開催の仕事

レースが非開催の場合は、整備士が直接モーターやボートの整備を行います。

この期間の整備を「中間整備」といい、整備士として最も腕が試される仕事です。

モーターは、様々な部品から成り立っており、一つ一つの部品には目には見えない誤差があります。

そういった部品が組み合わさることで、同じモーターのはずなのに出足が良かったり、伸び足が良かったりと異なる性能のモーターが出てきます。

しかし、それではレースの公平性に支障をきたすので、できるだけモーターの性能を均一にしなければなりません。

そこで整備士が直接、部品交換や修理をする中間整備が行われるというわけです。

競艇整備士の年収や給料について

競艇の公平性や安全性に欠かせない競艇整備士の仕事ですが、年収や給料も気になるところです。

そこで、調査したところ、月に約20万円〜30万円ほどということがわかりました。

このデータを元に年収を算出すると、約240万円〜360万円という計算になります。

日本人の平均年収が400万円ほどと言われているので、やや少ない印象です。

ただ、資格があるので、それに応じて昇給する可能性もあるでしょう。

整備力が高い競艇場はびわこ競艇

機械であるモーターやボートを整備する競艇整備士は、一種の職人と言っても過言ではありません。

そのため、個人間はもちろん競艇場によっても整備力にはどうしても差が出てきてしまいます。

そこで気になるのが、どこの競艇場が最も整備力が高いのかということ。

調査したところ、最も整備力が高いのがびわこ競艇だという事がわかりました。

それを裏付けるのが、モーターの2連対率です。

モーターの性能を測る上で重要な2連対率ですが、全国24の競艇場のモーター成績順に並べて最上位と最下位の2連対率の差を出しました。

すると、全国平均で約32％の差が算出。

それに対して、びわこ競艇の差は約27％で全国最小の差となっています。

この差が小さければ小さいほど、モーターの性能を公平にする腕のいい競艇整備士が揃っているということです。

モーターの性能を上げるも下げるも自由自在ということでしょう。

史上初の女性1級整備士が誕生！

2023年現在、競艇の整備士は約200名ほどいます。

その中で、1級整備士は約70名ほどでほとんどが男性です。

しかし、2023年7月、競艇史上初の女性1級整備士が誕生しました。

その人は、篠田栞さん。

元々は、ボートレーサーになるのが夢だったそうで、養成所に落ちて整備士に転身した経歴を持っています。

養成所は倍率が10倍を軽く超える難関ですが、1級整備士も合格率50～60％の難関です。

そこをクリアして競艇の歴史に残る整備士となりました。

篠田栞さんの所属するのは戸田競艇場なので、戸田競艇の整備力アップに期待がかかります。

競艇整備士まとめ

今回は、競艇整備士についてご紹介しました。

改めて内容をまとめると以下の通りです。

• 競艇整備士になるには日本ボートレース競走会に採用されるか、求人を見つけて応募するかの2パターンがある
• 資格は1級と2級で実務には資格が必須
• 競艇整備士の仕事はレース開催中と非開催で変わる
• レース開催中はモーターの調整について選手の相談に乗ったり、アドバイスをしたりする
• 非開催時はモーターやボートの整備を直接行う
• 年収は大体240万円〜360万円
• びわこ競艇の整備力が高い
• 競艇史上初の女性1級整備士は篠田栞さん

競艇において花形は、紛れもなく競艇選手です。

ただ、その華々しい表舞台の裏には、確かな技術を持った競艇整備士の存在があります。

競艇整備士の存在を知っていると、レース観戦が一味違って見えるので、ぜひ整備士にも注目してみてください。

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本記事中で触れた競艇整備士の中間整備は、レースに大きな影響を与えることがあります。

たとえば、低性能なモーターでも、一流の整備士にかかれば中間整備で化けることも。

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